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【時事小説】ニュースからインスパイアを受けて書く短編小説【42歳アルバイト男性ストーカー容疑で逮捕】

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女子中学生のかばんに「大好きです」と書いた紙を入れ、待ち伏せしたなどとして、警視庁巣鴨署は18日までに、ストーカー規制法違反の疑いで、アルバイト木田啓介容疑者(42)を逮捕。容疑を認めているといいます。

出典:時事ドットコムhttp://www.jiji.com/sp/article?k=2016111800434&g=soc

 

手紙 in bag

 

 自分の足音がやけに耳に残る。ズルリズルリと重たい影が僕を後ろから引っ張る。けれど、それらは気にならない。僕はその影よりももっと大きなものにひかれているからだ。

 まるで若がえったよう。期待と不安の入り混じったこの気持ちの行き先を僕は探している。この人混みの中を探し歩いている。

 いつもの場所についた。
 この駅だ。「あ、あぁはぁ」、と思わず吐息混じりの声がこぼれた。だって待ち遠しい。血液ぐつぐつと湧き上がるように、高揚と興奮とが僕の全身を駆け巡った。僕の陰茎はそれに呼応している。

 あぁ、あの子だ。愛おしい天使。唯一の癒し。幼いからこそ、女子中学生だからこその美しさ。制服が似合っている。
 今日こそはこの思いを伝えよう。きっと受け入れてくれるはず。
 僕は確信さえしていた。だって僕は社会人だ。大人だ。金も多少ある。親の管理下にある彼女は僕を受け入れるだろう。それに僕は顔もいい。彼女は僕を好きになる。

 僕はポケットから手紙を取り出した。そして足早と彼女に背後から近づいた。

 すれ違いざまに手紙を彼女の第二カバンに入れる。「大好きです」と書かれた手紙。気づかれてはいない。人混みが僕の姿を覆い隠した。
 そのまま過ぎ去る。

 やりきったぞ。僕はやった。
 思わず頬が緩んだ。
 そして陰茎はそり勃っていた。興奮が僕の心を満たした。ひどく、ひどく僕を満足させた。幸福感がさらに陰茎を刺激した。

 彼女はきっと喜ぶはずだ。社会から見放された僕を受け入れてくれるはずだ。そして僕を抱きしめるのだ。そんな光景が目に浮かんだ。

「……あは、あっはは」

 僕が壊れていく音がした。

 

※あくまでフィクションであり、ニュースをもとにしつつ、作者の想像で書いています。