僕が書いた黒歴史小説をレビューする

 タイトルは『色世界、夏の思い出』。タイトルから強烈だ。死にそう。まぁとりあえず、読んでみてほしい。けれど、もしもあなたが死にそうになったらブラウザバックしてくれてかまわない。身の安全が第一だ。ちなみに、ペンネームは『夏実柑』。死にそう。

↓↓↓↓↓以下小説 ※5000字ぐらいです。

   色世界、夏の思い出                   夏実柑 

 僕はオレンジ色が好きだ。 中学から始めたソフトテニスでオレンジ色のラケットを使っていたのがきっかけだったのだと思う。大学生になった今でもその色が好きで、筆箱や携帯のケース、電子辞書もオレンジ色だ。女の子みたいだとからかわれることもあるけど、僕にはその感覚が理解できなかった。色に性別など関係無いと、僕は思っているからだ。  僕が色にこだわりを持っているのは昔からの性分で、小学生の頃は特に青色が好きだった。 今では、人を色に例えるのが癖となってしまっている。例えば、友人のK君は紺色だし、昔からの親友であるS君は深緑色のような感じだ。これらは第一印象で決まることもあるし、親交が深まっていく中で決まることもある。要するに、僕の気分しだいだった。 僕はこれまで出会ってきた人々(道ですれ違っただけの人までも)のほとんどに色を当てはめてきた。そんな僕でも、色を当てはめることができない相手が一人だけいた。これから、そんな彼女のことをここに記そうと思う。僕と彼女の、ある夏の思い出と一緒に。

「田舎だなー。うん、田舎だ」

 縁側に寝そべりながら、僕は独り言を、しかし彼女に聞こえるように呟いた。もちろん、彼女が反応する様子はない。僕の予想通りだ。僕の独り言は行くあてもなく、ただ、この大自然に飲み込まれていった。  彼女は畳の部屋で座布団に座り、静かに読書をしている。僕も彼女も昔から変わらない定位置で、静かにゆっくりと時間を過ごしていた。  彼女は僕のいとこだ。僕は夏休みになると毎年、彼女の家に遊びに来ていた。山の奥にあるこの家に来て、こうして昼寝をすることが、僕のちょっとした楽しみでもあった。  東京で暮らす僕にとって、ここは驚くほど田舎だ。いや、およそ日本国民のほとんどが、ここに来れば驚くのではないかとさえ思う。だから、ここに来るたびに新しいことを発見する。それも一つの楽しみだ。  彼女は僕より二つ年下で、中学三年生なのだけれど、全校生徒が数十人の小さな学校に通っているらしい。過疎化がひどく、年々生徒数は減っているそうだ。  僕の両親から聞いた話によると、彼女は数年前にこちらに転校してきたらしい。理由は詳しく聞いていないが、彼女の様子だと、学校に馴染めなかったのだろうと思う。そう思った明確な理由がある。  昔、この場所で「つまらない」と呟いたことがある。いつもの、なんでもない独り言だったのだろう。彼女の気を引きたくてそんなことを言ったのかもしれない。彼女は僕の言葉を聞いた途端、読書を止め、俯き、唇を噛み締めた。今思えば、彼女は泣いていたのかもしれない。でもそのとき、彼女の目に涙はなかった。  今では、こうして一緒の空間にいるだけとなった。 時々、僕が独り言を喋り、彼女は静かに読書をする。それだけだが、僕にとっては心地いい時間だった。  僕はこうして彼女との時間を過ごすとき、いつも彼女に色を当てはめる。僕にとってはどの夏休みの課題よりも困難で重要なものだった。  赤、青、緑、三原色の配分を考えながら、様々な色を彼女に重ねて行った。最初は濃い色からだ。カーマインやクロムイエロー、あるいはネービーブルーといったものから、やはり、だんだんと色彩は薄いものになっていく。時々、栗色や青紫といった的外れな色を試しながら、たどり着いたのは無色。結局、今日も彼女の色は分からなかった。

「はぁ……」    なんだかやるせない気持ちになって、僕はため息を吐いた。それをかき消すように、柔らかい風が吹き抜けていく。ちょうど八月に入ったばかりの、夏真っ盛りの昼ごろ。ジリジリと焼けるような暑さと気持ちのいい風に、僕は溶けていくような感覚に包まれて、このまま寝入ってしまいそうになった。瞼が瞳の上をフラフラし始めた時、バタンと本を閉じる音がして、僕の意識ははっきりとしたものとなった。  反射的に後ろを振り返って見てみると、彼女は立ち上がり、部屋を出ていこうとしている。  うまく読み取ることができないけど、彼女の表情の奥に、焦りのようなものを感じた気がした。

「どこいくの?」

 眠気がまだ残っていたのだろう。僕はほとんど無意識のまま、彼女に尋ねた。

「……がっこう」

 彼女の言葉の内容よりも、ひさしぶりに彼女の声を聞いたという感動がこみ上げてきて一瞬思考が止まった。僕は、彼女の弱々しくも透き通るような綺麗な声が好きだった。 「俺も一緒に行っていい?」  そして、自分でもよくわからないまま彼女にそう言った。ただ勢いに任せて吐露した、僕の願望のようなものだったのかもしれない。

「うん、いいよ……」

 彼女は俯きながら、そう言った。その言葉の意味を理解するのに数秒を要したのは仕方がないと思う。彼女と外に出られるなんて夢のようだったのだ。

「やったっ……」

 噛み締めるように力を込めてガッツポーズをしたのは、ほとんど反射のようなものだった。

 彼女はどうやら、学校で飼っている動物達に餌をやる係らしい。彼女は読書に夢中で、そのことを忘れていたようだ。  僕と彼女は並んで、田んぼに囲まれた細い道を歩いた。様々な種類の緑色が散りばめられた、夏色の道だ。

「飼育委員かー、うさぎとかいるの?」 「……うん」 「動物、好きなんだ」 「……うん、好き」

 他愛もない、本当になんでもない話をしながら歩くこの時間が、とても幸福で心地いい。ほとんど僕が喋っているばかりで、彼女は短く返事をするだけだけれど、それでもやっぱり嬉しかった。  僕は彼女のことをほとんど知らない。何が好きとか何が嫌いとか、彼女自身のことを全然知らないのだ。こうして一緒に歩くのも、多分小学校以来だと思う。毎年会って、同じ空間にいるはずなのに、少しの会話もすることができないことが多かった。

「おやおや、可愛いカップルだ。若い者はいいねぇ」

 点々と家が立ち並ぶ道で、おばあさんに声をかけられた。畑の手入れをしながら、笑顔で僕達を見ている。

「えっ、いや、カ、カップルなんて、そんなんじゃないですって!」

 ほとんど叫ぶように、僕は否定した。唐突なおばあさんの言葉に錯乱する僕の様子は、さぞ滑稽だったのだろう。おばあさんは大きな声をあげて、さらに笑った。  赤面しながら、隣にいる彼女を見た。彼女は顔を隠すように俯いていた。彼女が俯く時は、嫌な思いをした時だと僕は知っている。だから、その顔が紅葉のように赤くなっているのがあまりにも意外で、あまりにも新鮮で、思わず心臓が跳ねた。

「……いこ」 「あっ、うん」

 彼女に手を引かれて、ようやく僕は再び歩き出すことができた。まだ、ほんのりと赤みの残る彼女の頬を見ながら、僕はやはり、彼女の色を考えていた。ほんの少しだけ、それがわかった気がして、ただただ嬉しかった。

「木造……だと」 「……はやく、こっち」

 およそ木がむき出しの木造の校舎。ある種の風格さえ感じさせる、趣のある建物に僕は目を奪われた。数十人の生徒が通っている学校らしいが、その人数さえ疑うほど小さな校舎だ。

「ねえ、全校生徒って何人なの?」 「……五人」 「そ、そうなんだ……」

 十人すら生徒がいないという事実に、僕は驚くことしか出来なかった。過疎地域にしたって少なすぎではないだろうか。

「……ほとんどの子はA小とA中に行くから、ここに通う子は少ないよ」

 彼女は少し悲しそうな声で呟いた。  彼女の言葉の通りならば、この小さな校舎に通う生徒にはきっと、何か事情があるのだろう。そして、そんな生徒の内の一人である彼女にも何か抱えているものがあるように思えてならなかった。飼育小屋につくまでの間、僕はずっとその事を考えていた。

「うわぁ、かわいい!」 「……かわいい」

 校舎から少し離れた場所にある飼育小屋にはうさぎと鶏がいた。栗色や灰色、白色といった色のうさぎが餌を待つようにして、こちらに視線を向けている。よほどお腹を空かせていたのだろうか。  彼女はこれまでに見せたことない無垢な笑顔で、うさぎ達と戯れている。確か、うさぎは警戒心の強い動物のはずだが、彼女はまるでうさぎ達の仲間になったかのように接している。 その様子に、また違う色を見た気がした。

「あっれー、じみ子じゃん」

 不意に後ろから声がして僕と彼女は振り返った。ほとんど同時だったと思う。まるで人気のないこの大自然の中で、その声はよく響いた。見ると、一人の女の子が立っている。  色は、紅色だろうか。

「……A子」

 彼女はいつもの無表情を少し歪ませながら、小さく呟いた。どうやらA子というのは彼女の知り合いらしい。

「久しぶりだねー、一年ぶりくらい?」 「うん……」

 甲高い声で話すA子の言葉に、彼女は押し黙るように顔を伏せながら、しかし、なんとか相槌を打つ。そんな彼女の様子はどこか苦しそうであった。 苦痛に耐え忍ぶようなその表情に、僕の中で危機感が湧き上がってくるのを確かに感じた。

「ねぇ、あの人ってもしかしてカレシ?」 「……ちがう」

 彼女はやはり俯きながら、そう否定する。

「だよねー、じみ子にカレシとかいるわけないもんね」

 嘲るように笑いながらA子はそう言った。

「ていうか、相変わらずあんた喋らないんだ。ホント、あんたつまんないね」 「っ…………」

 彼女は一瞬身体を震わせ、そしてまた下を向く。彼女は唇を噛み締め、A子の言葉に堪えるが、やはり涙を流すことはない。決して感情を表に出そうとしないのだ。だが、それは決して彼女の心が希薄だからではない。 彼女にとって、「つまらない」という言葉が特別なものであることを僕は知っている。彼女が確かに傷ついていることを知っている。涙色の彼女の心には確かに世界が写っているのだ。  だから、A子の言葉を許すことができなかった。

 その後、A子は逃げるように去っていった。別に、喧嘩など物騒なことになってわけではない。少し、彼女の言葉を否定しただけ。  僕と彼女は来た道をまた歩いている。静寂に包まれたこの帰り道を、僕は景色を楽しみながら歩いた。  青々と生い茂る草花や、空を舞う鳥たちが彼女の瞳にはどんな風に写っているのだろうと、そんなことを考えていた。でも、それはなんでもない、無意味な疑問だと僕の中では結論づいていた。

「……あの、さっきのこと」

 彼女は言葉につまりながら、何かを伝えようとした。

「……その、ありがと、怒ってくれて」

 それは、感謝。俯いていた顔をあげて、そう言った。彼女の顔には笑顔。僕は息を飲んだ。

「どういたしまして」

 僕は笑顔を浮かべた。たぶん、最高の笑顔だったんじゃないかと、我ながら思う。  正直、僕はいつも想像していた。彼女との会話や、彼女の笑顔、想像してはその度に現実とのギャップに戸惑っていた。彼女は変わらない。毎年、夏になっては彼女と再会し、そして変わらない距離と、彼女自身にどこかで不満を持っていた。けどそれはただの理想の押し付けに過ぎなかった。彼女は笑う。そして泣く。

「うさぎ、可愛かったなぁ、あ、そうだ。今度うちにも来てよ。街、案内するし」 「…………うん」 「え、ほんと! マジで? 絶対?」、と僕は思わず、食いつくように言った。 「……気が向いたら」 「えぇ……」がくり、と肩を落とす。しかし、彼女の顔に浮かぶ微かな微笑みを見て安心した。きっと、いつか来てくれる、と僕は思った。  いつの間にか、彼女の家まで僅かとなった。

「……つまらなくなんかないよ、絶対」

 彼女の家に続く一本道。田んぼに挟まれて歩く中、僕はふと、小さく呟いた。その「つまらない」という言葉が彼女にとってどれだけの重みがあるのかはわからない。それは想像がつかないのだけれど、僕はその時、伝えなければと思った。  世界は色で溢れている。隣で頬を赤らめる彼女のように、様々な表情を見せる。僕はずっと、彼女にあてはまる色は何色だろうと悩んでいたけれど、いよいよその結論が出た。これがあっているのか間違っているのかはわからない。あくまで僕の主観。  彼女はきっと涙色だ。透明で繊細。吹けば飛んでいってしまいそうな淡い存在。この、色であふれる世界の中で、彼女が変わらず綺麗な涙色であり続けるのかはわからないけれど、僕は彼女のそばにいつづけたいと思ってしまった。その、彼女の色を守り続けたいと思った。 「うん」彼女は小さく頷いた。 「……すき」彼女のその声は夏の風に吹かれて、微かな音となり、しかし僕の鼓膜を確かに揺らした。ふわりと心が暖かくなる。心臓がドクンと跳ねる。

「え? なにか言った?」

 とぼけてみせると、彼女は少し頬を膨らませた。  

↓↓↓↓↓以下感想

 ぐあぁぁぁぁああああ……。し、死にてぇぇぇええええええ……。誰か僕をころしてください。お願いします。報酬もだそう。nanacoカードで払うから。……100円くらいはあったかな。

 なに。なんだ。彼女の色がわからないって。ねぇーよ。そんな心情無い。しかも、終わり方。「……すき」とか無い。そんな状況ない。妄想乙、昔の俺。まったく……チョロイン大好きなんだから。  全体的にツッコミどころが多すぎてやばい。  A子とか、テンプレすぎて逆に現実味がない。浅い。浅すぎる。設定が浅い。    しかし言い訳をさせてほしい。僕はおしとやかな子が好きなんだ。そして、こうなってしまったんだ。……うん。なんか、こうなっちゃったんだよ。

 くそっ。笑え。笑ってくれ。けど、これだけは言いたい。僕は恋愛したいんだよ!ちくしょぉぉおおお!